ものづくりを通して
ポケモンカードゲームの魅力や面白さを世界中に伝えたい
未経験からポケモンカードゲームのゲームデザイナーへ
現在、ポケモンカードゲームのゲームデザイナーとしてゲームデザインを中心に、ゲームデータやワザ名などのディレクション業務を担当しています。ポケモンカードゲームのゲームデザインとは、カード上のポケモンのHP(ポケモンの体力)やワザなどのデータを設定し、「遊び」そのものを創造する仕事です。ポケモンをカード上でどのように表現し、ユーザーにどのように遊んでもらいたいかを考えながらカードに落とし込んでいきます。
私自身は、中途入社ではありますが、ゲームデザインは未経験での入社でしたので、新卒の皆さんと近いキャリアかもしれません。
入社当時は、ポケモンからは、『ポケットモンスター ルビー・サファイア』以降遠ざかっていたので、これまでのゲーム『ポケットモンスター』シリーズをすべてやりこんでポケモンの名前を覚えました。時間があれば、都内の『ポケモンセンター』を巡り、今売られている商品はどういったものがあるかを視察しました。
また、研修を通して、ポケモンカードゲームの知識やゲームデザイナーとしての基礎などを同時に学んでいきました。
研修後は、実際にポケモンカードのデータを考え、提案を繰り返すことで、カードの知識や、ゲームデザインとしての考え方を蓄積していきました。ものづくりの仕事は、知識や技術だけでなく忍耐力も必要な仕事で、慣れるまで大変でした。ただ、ポケモンが中心にあるおかげか、いろいろなアイデアや思いが次々と湧いてきます。どんな遊びの要素があればポケモンらしいのか、トライ&エラーを積み重ねてより良いものを作っていくことは、自分の地盤を作ってくれた大切な過程だったと思います。
ゲームデザイナー / サブマネージャー 2018年入社
経験を重ねて得た、ゲーム全体をデザインする視点
入社2年目に『ポケモンカードゲーム ソード&シールド ファミリーポケモンカードゲーム』という商品のデータ制作を任せてもらいました。初めてポケモンカードゲームを遊んで頂く方に向けて、ポケモンカードゲームの基本の遊びを体験してもらう商品になっています。そのため、遊ぶ時につまずかないようにシンプルで遊びやすいゲーム性や、ポケモンが戦っているシーンが想像できるよう、ワザ名も分かりやすく伝わるようにつけています。
ポケモンの世界においてワザ名が持つインパクトは大きく重要で、アニメ「ポケットモンスター」でも「いけ! ピカチュウ、10まんボルトだ!」と必ずワザ名を声に出してワザを繰り出します。
ワザ名には、それぞれのポケモンがどう戦っているか、どういう行動をしているのかを伝えたり、イメージを膨らませる役割があると感じていて、ポケモンカードゲームでもその役割を大事にしています。
3年目には、拡張パック*のゲームディレクションを手掛けるようになりました。1枚1枚のカードを作るというよりは、それぞれの商品ごとの魅力やコンセプト、どのポケモンを対戦で活躍させるかや、対戦環境の設計など、より全体的な目線でユーザーへの「遊び」の提供に取り組んでいます。
1~2年目に経験したカードごとのデータ制作でポケモンへの理解を深め、3年目に手掛けた「遊び」全体の設計を通じてゲームそのものをデザインする視点を持てるようになったことで、より面白い商品を開発できるようになってきたと手応えを感じています。
いまは長い歴史の中で積み重ねられてきたポケモンカードゲームを「どんな風に新しく、さらに面白く進歩させていけるか」を常に考えながら取り組んでいます。
* カードがランダムに封入されている商品です。パックによって、めずらしいカードが入っていることもあります。同じ種類のパックでも、入っているカードが異なります。デッキをさらに強くしたい場合は、このパックで改造します。
海外視察で感じた楽しみ方の多様さ
ポケモンカードゲームの人気が国内だけでなく、海外にも広がっていることを実感したのは、入社2年目に視察で訪れた「ポケモンワールドチャンピオンシップス2019」(米国ワシントンD.C.)と、台湾で催された新商品公開イベントです。
ゲームデザイナーなので、やはり対戦内容ばかりに目が行ってしまいますが、参加選手たちが使っているプレイマットやデッキシールドが今まで見たことないくらい色とりどりで、卓上にポケモンのぬいぐるみを置いてプレイする人もいたりして、楽しみ方が人それぞれあるのも印象的でした。
また、ポケモンカードゲームを通じて、言葉の壁を越えてコミュニケーションが取れている様子を目の当たりにできたことも、本当に貴重な経験になりました。
さまざまな国から集まった多くの人たちが楽しそうにプレイしている様子は、今でも目に焼き付いています。
ポケモンカードゲームは対戦だけでなく、デッキ作りやコレクションなど、いろいろな楽しみ方があります。また、対戦で使うと強いとか、イラストが可愛いから集めたくなるなど、手に取ってくれた人によっても、感じ方はそれぞれです。世界中にいるユーザーを楽しませるカードを作るのは簡単なことではありませんが、非常に面白い仕事だと思っています。