ピカチュウの足音、ページをめくる音。
つくるのは、「そこにいる」臨場感
日常生活に、ポケモンがいる。そんな世界を「音」で彩っていく
サウンドクリエイターとして、ゲームのBGMや効果音の制作をはじめ、サウンドの実装やバランス調整など幅広い業務を担っています。この道に進んだきっかけは、小学生の頃にプレイしたゲームから流れるサウンドでした。そのサウンドが耳に残って離れず、その頃から「ゲームの音楽をつくりたい」という想いが生まれていきました。
クリーチャーズの手がける作品は、王道ではなく「クリーチャーズらしさ」に溢れており、サウンドづくりも同様の考えが生きていると実感しています。たとえば、ポケモンの新たな可能性を提示した『名探偵ピカチュウ』では、BGMを流しっぱなしにするのではなく、あえて環境音しか聞こえない場面を取り入れたり、人物やポケモンの足音などは実際に歩いたり音を立てたものを録音し、ブレンドしてつくり上げたりしており、「日常生活にポケモンがいる」リアリティを、いかに音で表現するかにこだわって制作を行っています。アニメのピカチュウは軽やかな足音をしていますが、名探偵のピカチュウはちょっとどんくささが感じられるようにしています。
サウンドクリエイター 2010年入社
効果音からBGMまで。サウンドのすべてを内製できる強み
クリーチャーズは、社長であり作曲家でもある田中（代表取締役社長・田中宏和）の理解もあり、音作りをすべて内製することができます。社内にサウンドチームがないゲーム会社も多い中、そのすべてに携われるチャンスがあるというのは、将来を考える上でも非常に大きなポイントです。恐らく、サウンドクリエイターを志す方のほとんどは「ゲームで使われるBGMを沢山つくりたい」「あの作曲家さんのように、メインコンポーザーを担いたい」という夢を抱いていると思いますが、膨大なゲームサウンドの中でBGMを担当できる機会はほんの一握りです。
たとえ下積みの期間が長かったとしても、クリーチャーズには、必ず挑戦ができる土壌があります。それが自分自身のやりがいにもなっているし、会社のために頑張ろうという気持ちにも繋がっています。実際に、私もサウンドチームでは最年少ですが、『名探偵ピカチュウ』では廃遊園地のBGM制作を担当するなど、少しずつ夢の実現に近づける機会を掴んできました。すぐに望む仕事ができなかったとしても、めげることなく担当している仕事を楽しめる方が向いているんじゃないかと思います。
家族や仲間との時間。すべてが響き合って、新しい音が生まれていく
サウンド作りにあたり、日常生活で感じたことがヒントになることも多いです。人の動作を見て、どこまで衣擦れの音を入れればリアルさが生まれるのか、ということを無意識のうちに観察していたり、あの人の足音いい感じだな、録らせてもらおうかななどと考えたりしています。プライベートでは娘と一緒に子ども番組を観ることも多いので、そこから発想を得ることもよくあります。音というのは日常に溢れているものなので、日頃の観察力や感性が仕事に活かせることも、サウンドクリエイターの面白さのひとつです。
クリーチャーズはさまざまな個性をもつ人たちが集まる、ものづくりの会社です。普段はヘッドホンを付けて集中しながら業務に取り組んでいますが、仲間同士のコミュニケーションからアイデアが得られることも多いので、周りの人たちとの会話の時間も意識的に取るようにしています。周りのみんなは、仲間であり、そしてよきライバルでもあります。サウンドチームだけでなく、組織の誰もが役職や年齢も関係なく、誰もが対等だからこそ、良いものづくりができると思います。
